こんにちは!makeshopマガジン編集部です。

今年に入り、マスクの着用が個人の判断となり、また、新型コロナウイルス感染症の分類が5類に引き下げられるなど、アフターコロナの雰囲気が増しています。リアルへの人の戻りが加速したこともあり、EC業界ではOMOへの取り組みがこれまで以上に重要視されるようになっています。

弊社でも以前よりOMO支援に取り組んでおり、今年の5月には、POSレジを提供する株式会社スマレジ、アプリプラットフォームを提供するビートレンド株式会社と3社で共催し、OMO戦略セミナーを開催いたしました。大変多くの方にご参加いただき、開催後もOMOに関するお問い合わせを多数いただいております。そこで今回は、セミナーのレポートをもとに、OMOの事例やECと実店舗を連携する際のポイントをお届けいたします。

各業界から見る、店舗DX・OMO戦略の”今” ~アプリ・POS・ECの最新事例をご紹介~

【第1部】ECシステムから見た、成果の出るOMO対策とは

第1部は、GMOメイクショップのエバンジェリスト 高橋によるセミナーです。まずはじめに、「91.22%」という数字が公開されました。これは何かというと、2022年の家庭支出額のうちリアル店舗で支出された金額の割合を示しており、残りの8%がECでの支出ということになります。この数字を見ると、まだまだお買い物の主戦場は実店舗と感じます。しかし実際は、消費者は購入にいたるまでにECと実店舗のどちらか一方だけを見ているのではありません。アパレル商材であれば、消費者の7割がECでの購入前に実店舗で実物を確かめるというデータもでています。

そこで重要になってくるのがOMOです。OMOとは、「Online Merges with Offline」の略で、オンラインとオフラインの融合を意味します。単にオンラインとオフラインの相互送客を意味するO2Oとは異なり、オンラインとオフラインの分断をなくし、データ活用によりそれぞれのお客様を共通化して、より良いお買い物体験の提供を目指します。

OMO施策に取り組む成功事例として、まずは恵比寿ワインマート様の事例をご紹介いたしました。恵比寿ワインマート様は、2つのブランドを展開しそれぞれで実店舗とECを運営、会員データなどはバラバラで管理していたという課題がありました。

そこで、2つあったECサイトを統合し、かつ、実店舗のデータを連携することでOMO化を進めていくことになりました。その際、ECサイトに求められるのは購買データや会員データが連携可能な状況であること、つまり、APIによる連携が必要となります。ECシステムには、makeshopの上位版としてAPIの連携やカスタマイズが可能な「GMOクラウドEC」のmakeshopエンタープライズプランをご利用いただき、ビートレンド社のアプリプラットフォームを導入されました。

その結果、実店舗とECの購買データを合算できるようになり、どちらか一方だけでは見えてこなかった真の会員ランクを割り出しすることができました。そこから、お客様の客単価を上げるために実店舗での受け取りサービスなど新たな施策を検討されているとのことです。

もう1つの事例として、俺のEC様についてもご紹介いたしました。俺のEC様は、もとは別のECカートを利用されていましたが、そのカートではビートレンド社のアプリと連携ができずに弊社のサービスに乗り換えていただきました。ECとアプリ連携によるOMO施策を実施したことで、2021年12月の月商が前年比250%にアップするという大きな効果があったようです。ECでたまったポイントを実店舗でも利用できるため、コロナ禍の収束とともに実店舗にも順調に来客が戻ってきているという効果も感じられています。

第1部でご紹介した事例のように、ECと、アプリやPOSなど各システムベンダーが提供しているツールを連携させることで効果的なOMO施策が実現できます。そのためには、さまざまなツールと連携が可能なECシステムを選ぶことも重要になってくるでしょう。

【第2部】スマレジ導入で実現したCRM施策とその効果

第2部はスマレジ営業部 主任の宮沢様によるセミナーです。スマレジは、現在128,000店舗に導入されている高機能POSレジで、リアルタイムで情報連携が可能です。一目でわかる直感的なデザインで、誰でも簡単に操作することができ、また、売り上げ分析機能を利用して、日別・商品別・顧客別など細かな分析に対応しています。

顧客管理によるマーケティングが当たり前の時代となりましたが、スマレジの顧客管理機能では、そのデータをアプリやECと連携することでOMO施策を実現できます。

事例としてご紹介いただいたアッシュコンセプト様は、以前は紙の会員証で顧客管理をしていました。その管理のために時間を要していた店舗スタッフの業務改善や、ECと店舗会員の一元化などを目的に、スマレジ、makeshopエンタープライズ、ビートレンドのアプリを導入されました。

その結果、商品マスターや販売情報がシームレスに統合され、顧客へのタイムリーな情報発信を実現することができました。また、数日かけて準備していたDMの作業が30分~1時間程度に減少するなど、課題であったスタッフの業務改善にも貢献。さらには、登録しやすいアプリに変えたことで、1,000名程度だった会員数が5,000名まで一気に増加したという効果もありました。

各種CRMツールなどと連携した施策を実施する際にはPOSが起点になることも多く、それを踏まえて連携に対応したシステムを選定すべきだと宮沢様はまとめました。

【第3部】事例を踏まえて考える、実店舗とECをつなぐCRM

最後となる第3部はビートレンド 営業・企画管掌取締役の宮下様によるセミナーです。ビートレンドは、行動履歴の活用を得意とするアプリプラットフォームを提供しており、オンラインとオフラインをつなぐ会員証のような役割を果たします。

OMO施策として、オンラインとオフラインの垣根を越えてあらゆる販売チャネルの購買データを収集・活用したいという声が増える中、単に情報を配信するだけのSNSやアプリではオフラインの購買データを取得することはできません。来店検知が可能なアプリであることが重要で、そこにさらにPOSを連携することで購買金額も取得でき、購買金額に応じた会員ランクを設定することも可能に。それをもとに、顧客にとっても付加価値の高い施策を実施すれば、利便性が向上され、来店頻度を増やす効果も期待できます。

最近では、多くの方がインストール済みで日常的に利用しているLINE上で自社サービスを提供できるLINEミニアプリを活用することで、新たにアプリをインストールする必要が無く、最短5秒程度で会員証の発行が可能とのことです。

ダイナック様の事例では、通常のスマートフォンアプリとLINEミニアプリを併用しています。店頭では簡単に登録できるLINEミニアプリで登録いただき、あえて機能差をつけたスマートフォンアプリも用意することで、後日スマートフォンアプリへの登録を促し、ポイントを統合できるそうです。また、ECのポイントとも連携することで、ECの売上や、店舗の来店促進にもつながっています。

当初はスマートフォンアプリのみの展開でしたが、ライトユーザー向けにLINEミニアプリを導入したことで、新規会員登録数が大幅に増加するなど、効果を感じられています。

また、ファミリーレストランを展開するフライングガーデン様の事例では、アプリに登録したお気に入り店舗のメニューからECサイトに飛ぶことができ、テイクアウトのモバイルオーダーシステムのような使い方をしています。

リアル店舗の来店増加が見込まれる中では、来店顧客の情報を集めることが重要になってきます。そのためには、POSレジと会員アプリの連携が効果的です。さらに、コロナ禍で増加したECサイトの会員とも連携し、オンライン・オフラインの購買履歴を活かしたCRM施策を実施することで、売上UPが期待できると宮下様は締めくくりました。

セミナー終了後の質疑応答では、参加者の皆様から多くのご質問いただくことができ、OMOへの注目が高まっていることが感じられました。中には、「逆に連携することのデメリットや注意点はありますか?」という質問も。「よく言われるのは、実店舗の店員さんへのトレーニングや、制度設計が重要ということです。ECに売上がとられてしまうと認識をされる場合もあるので、会社として評価制度を整えるのが大切です」と回答する場面も見られました。

こういったお悩みも、OMO支援の実績が多数ある3社で協力しながらサポートさせていただくことが可能ですので、ご検討の企業様は、お気軽にご相談ください。

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