\ ショップオーナー様SPECIALインタビュー第13弾・後編/

みなさま、こんにちは。本日は酒茶論様インタビューの後編をお送りいたします!

-海中熟成酒が大変ユニークです。
なぜこのようなお酒を開発しようと思ったのでしょうか。

プロパー商品は手にとっていただけるまでハードルが少し高いので、入口商品としていいキッカケになれば、と開発しました。
もう一つ、お魚やお肉など食品の熟成が注目されています。
メディアの影響でエイジングビーフなど熟成という言葉が自然と入ってくるようになりました。

日本酒が熟成する=古くなってしまう、とネガティブに捉えてしまう人が圧倒的に多かったのですが、

「思い出の年のお酒」を飲む

というとすっと入りやすい。
あくまでもその年のお酒を飲んだのであって「熟成した」という意識は、そういえばそれ熟成だよね、と二次的に出てくるものです。

地上ではある一定の周波数で振動を及ぼすとお酒は化学変化も物理変化も起きる。
仮に人工的に超音波によって熟成を図るとお酒自体が手作り感を重視しているのに、そこでハイテクな要素が加わると消費者の方はひいてしまう。
海中で熟成されれば、消費者の方がイメージを膨らませやすく、なおかつ待つことが楽しくなります。
化学変化も物理変化も起きるという環境を考えた時にいわゆる波の潮流によって振動を及ぼします。

お酒の熟成方法は、例えばトンネルや雪室で熟成するやり方があります。ただ、“トンネルで熟成した”と言われたから意識するのであって、実際飲むと「なるほどトンネルだよね」と実感することはありません。

一方、海中で熟成すると明らかに瓶のビジュアルが海の中で過ごした、とわかる変化が目に見えます。
大事なのは、同じお酒を蔵の方でとりおきをしておいて、蔵の中でとっておいたお酒と海の中で熟成したお酒とセットアップして飲み比べて楽しんでいただくというようなご案内をしています。そうすると、明らかに2本を比べるとビジュアルも違うし、熟成した環境が違うと自ずと味も違います。

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海中熟成酒プロジェクト・Facebookページ
https://ja-jp.facebook.com/shusaronproject

-日本国内ですか?

はい、静岡の南伊豆ですね。

-とても面白いですね。つい、人に言いたくなります。

そうですね。海中で熟成するあいだ、半年間は海に潜ってメンテナンスを行います。
その様子をFacebookやブログでアップすると

「今、俺の酒がこの海で眠っているんだよ」

と友達に話すこともできるし、ネット社会において拡散することができます。お酒の入れ込み、引き揚げ時は動画配信しているので毎月、お客様はそれをみて楽しむことができます。

海中熟成酒はできればご予約いただくと、半年間アップしていったものをみながら心待ちにしていただけます。
お手元に届いた時、ただ購入して飲むのと違い、待っただけにお酒と向き合い方が変わってきますよね。
一生懸命その中から味わいを探るという形が取れます。お酒は各蔵が好きなようにデザインしたタグと、海中熟成酒のご案内書と一緒に送っています。

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(左)海中熟成酒のセット商品(右)瓶には各酒蔵さんのタグがついている

▼海中熟成酒プロジェクト
http://shusaron-online.com/shopbrand/ct54/

-ロマンがあっていいですね。

ええ、ただロマンだけに終わらせたくなくて、
実は慶応義塾大学先端生命科学研究所という研究機関がありまして共同研究を行っています。
海の中で寝かせる前のお酒と寝かせたあとのお酒を化学分析して毎月メンテナンスで潜った時にサンプルを引き揚げて、研究所で6ヶ月間の経時変化を見ていきます。

今年はウイスキー、ワイン、スピリッツなど他のお酒も海にいれて日本酒との差異を見て行く試みを行っています。
こうした研究によって、メーカーとして単に夢を追うだけでなく、
化学的エビデンスをもった商品としてお客様にご案内できます。

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海から引き揚げた海中熟成酒

「あるもの探し」日本人の足元にいいものがある、を見つけること

-はじめはホテルニューオータニ様で洋酒にずっと携わっていたのに
最終的に日本酒にたどり着いた背景が非常に興味深く感じました。

(上野様)実は今、地域振興のお手伝いをしています。
「あるもの探し」と言いまして、ないものねだりをしてきた日本人が足元にこんなにいいものがある、と見つける動きをしています。
自分はヨーロッパのお酒に憧れを持って一生懸命勉強してきたけれど日本を振り返った時に足元を見ていないことがとても多かった。その経験を地域振興に活かしています。

例えば、ある山奥の旅館が集客に苦戦し、そこで考えた企画が夕飯に豪勢な舟盛りを出すことでした。旅館の人は、「こんな辺鄙なところでも豪勢なものが出せる、というのがおもてなしだ」と履き違えた考えを持っていました。
お客様はそんなものを期待していないのに、どちらかというと裏山に生えているキノコの方が嬉しかったりする。身の回りにあるものでもっと良さを気づきましょう。と提案しています。

地元の人達はこんなお粗末なもの、というけれど、本人たちはその良さに気づきません。でも彼らの日常が都会の非日常です。その土地の人からいいところを拾い出して、地元の人に気がついてもらう。お客様が喜んでまた来たい、となるためには「あるもの探し」というのはとても大事です。

情報化社会ですからモノを比較してみるという人がとても多いんですね。
これにはこれの良さがある。この中からいいものをさがしましょうという発想が大事です。

例えば、お客様から「マスターはどのお酒が一番好きですか?」と聞かれます。
そんな時、私はいつもこう答えます。

「私には息子が3人いますが、
長男は勉強が優秀でいい子なんです。
次男はスポーツ万能です。
三男は人を笑わせる才能がある。
これを比べますか?
あなたはお酒に対してそれを聞いているのですよ。」

と。

一つ一つとどうやって向き合うか、お客様にそれぞれの良さをお伝えすることができるとすべてのお酒が生きてきます。

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-上野様は漫画サンデーのほろ酔い酒房の原案監修を務めているとうかがいました。どんなきっかけで監修を務めることになったのですか?

(上野様)もともと「釣りキチ三平」という漫画がありまして、矢口高雄先生のチーフアシスタントをしていた友人がおりました。
ある時、漫画サンデーの編集者と友人と3人で飲む機会がありました。アイデアだしをしていく中で、当時は食がブームだから、お酒と食を絡めた漫画を試しに書いてみようという話になり、一話ためしに書いたら評判が良く、その後、人気連載になりました。

やりたいこととして、このバーでは、富裕層の方々にそれなりにお酒の価値創造をしていく中で、旧来のウイスキーやワインに高額なお金を投じていた方々に日本のお酒でもそれに見合う魅力のあるものを、飲み方を含めご提案していく。
漫画の中では、極めて日常生活の中で飲み方を変えたり視点を変えたりすることによってどんなお酒でも美味しく飲めることを伝えたかったんです。それが自分の中でバランスが良かったです。

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―ネットショップは何人で運営していますか?

(長船様)ネットショップの運営は4名で運営しています。
受発注と梱包は2名、細かい運営は1名です。

-なぜMakeShopを選びましたか?

(長船様)もともと味噌の専門ショップ「美噌元」で使っていました。
使いやすかったので2店舗目をメイクショップでオープンさせた次第です。

また、ギフト対応がとても多いので、複数配送(※1)ができるカートを選びました。

(※1)複数配送機能とは: お客様が1回の購入で、複数の宛先に商品を送付指示できる機能です。 設定した宛先ごとに商品数を自由に振り分けることも可能。 MakeShopでは最大50件まで配送先を設定することができます。

-サポートは利用したことがありますか?

(長船様)はい、あります。
某モールはなかなか電話に出ていただけないのですが(笑)、MakeShopはすぐ出てくれるので助かります。

-ネットショップでは古酒マスターによるアドバイスがあると伺いました。
これは御社ならではのサービスだと思いますがどんなサービスですか?

(長船様)お客様が古酒について詳しく知りたいとお問い合わせがあった時にメールやお電話でご対応するサービスです。

-どんなお問い合わせが多いですか?
(上野様)当社の商品に関するお問い合わせだけでなく、家にこんなお酒があるけれど飲めるか?という質問もいただきます。実際に見てみないとわからないこともありますが、「こういう状況になっていませんか?」とおおよそ想像のつくところでアドバイスはできます。
実はホテルを辞めた後、酒蔵設備の卸業者を営んでいた実家で10年くらい働きました。
酒蔵から「お酒をろ過する時にどういう機械でろ過したらいいか」と尋ねられますので、濾過方法をアドバイスしながら機械を納めていました。
お酒の製造のメカニズムにはそれなりに精通しているので、蔵元も安心して当社にお酒を預けられます。

-海外からの引き合いはありますか?

(上野様)一時は香港で販売パートナーがいましたが、彼らが古酒の魅力を説明しきれませんでした。
普通のお酒ですと、ドイツなどヨーロッパに輸出しています。最近、イギリスでこうした古酒が好まれるということがわかりましたので、そこに古酒を今後差し込んでいければと考えています。

-運営上、気を使っていることはありますか?

(長船様)ビンテージものですから割れたら大変です。
梱包は慎重に行っています。
一点ものは変えが無いので、しつこくペタペタと割れ物シールを貼り、配送業者様にもくれぐれも割らないよう注意を促しております。

-嬉しかったことはありましたか?

(長船様)ウエディングのご注文が入ると嬉しいですね。
注文したご本人の方だけでなく親御さんからも感謝されます。

(上野様)宮城県の方で、セレモニーで使う1970年代のお酒を配送業者さんが割ってしまいました。イベントに間に合わないと大変です。
仕方が無いので全国の酒蔵さんに問い合わせ、
その近くの酒蔵さんがたまたま在庫を持っていました。
送ると間に合わないので直接車で運んでもらったんです。
結果的に間に合い、先方によろこんでいただけました。

-売り上げ増加の施策はありますか?

(長船様)やはりメディアに取り上げられることですね。
昨年は海中熟成酒がTBSテレビや読売新聞に大きく取り上げられたので反響が大きかったです。
バーがオープンから13年経つのですがメディアの人たちとの付き合いが多いので、
イベントがあると一斉にニュースリリースを配信しています。リピーター対策にはまだ着手できてませんが、発信するコンテンツはたくさんあるのでメルマガなどは今後力をいれて行きたいと思います。

(上野様)現状、ネット検索でサイトに来るより、バーにいらしたお客様がまず味わって自宅で買うという流れが主流です。
お酒の世界観がもう少し広がれば、ネットからバーへくる流れができるかもしれません。

今後、面白いかたちになりそうなのは、海中熟成酒です。
お客様はお酒の経時変化がネット上でみられて、しかも半年間楽しめる。
さらに+αでお酒が2本も届いちゃった、というお得感まで感じていただけたらいいですね。

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▼長期熟成日本酒BAR「酒茶論(しゅさろん)」
東京都港区高輪4-10-18 京急ショッピングプラザ ウィング高輪 WEST 2F
月~金 17:00~翌0:00(L.O.23:30)
土・日・祝 15:00~翌0:00(L.O.23:30)

酒茶論のみなさま、インタビューにご協力頂き本当にありがとうございました。
今後ともGMOメイクショップをよろしくお願いいたします!

MakeShopでは、今後も公式SNSにて、ショップ様の様々な取り組みをご紹介していきます。乞うご期待!