こんにちは!makeshopマガジン編集部です。

突然ですが「ちくわサラダ」をご存じでしょうか。ちくわの穴にポテトサラダを詰め、ころもを付け、油で揚げた、いたってシンプルなお惣菜です。それでも熊本県で50年以上も愛され続けている定番商品で、県内のお惣菜屋さんには必ずといっていいほど置いてあるそうです。

そのちくわサラダですが、実は今回お邪魔したヒライ様が起源なんです。同社のECサイトでも元祖ちくわサラダが購入できます。ちくわとポテトサラダを組み合わせて県民食になるほどの大ヒット商品を生んだ同社ですが、実店舗とECの組み合わせはどのような効果を生んでいるのでしょうか。ECサイトを担当されている川久保雄一様とシステム担当の上野大介様に直撃してきました!

ヒライ様のECサイト URL:https://shop.hirai-wa.com/

ECサイトは2年続けて150%成長!

ECの分野において食品ECは市場規模がトップなんです。ところがEC化率は他の分野よりも低いため、まだまだこれから伸びていく分野だと期待しています。そこで、熊本をはじめ、福岡や大分、佐賀に約170店舗の弁当・惣菜店を展開している一方で、ECの売上も順調に伸ばしているヒライ様に、食品ECで成功するヒントをいただきたいと思いお邪魔しました。

川久保様 当社は実店舗の売上を柱として、お弁当の配達も大きなウエイトを占めています。ECサイトの役割としても、その部分を一部担っており、地域のお祭りや学校の運動会、企業のイベントなどでご利用いただいています。季節に合わせたお弁当もご用意していて、お花見の季節やお盆、お正月が繁忙期になります。なかでもお花見の季節は注文が集中するのですが、特に今年は多くの注文をいただいて、ECも電話も去年とは大違いでした。新型コロナ関連の行動制限がなくなったのが、ここまで影響するんだなと。

行動制限の反動が話題になりましたが、今年のお花見の季節は、まさに行動制限解除のタイミングと重なりましたので、大盛況だったのもうなずけます。ECで受け付けたお弁当は、お客様が店舗まで受け取りに来るのでしょうか。

川久保様 ご来店いただいてもいいですし、お花見会場となる公園への配達にも対応しています。社内に配送部門があって、エリアを細かく設定して対応しているため、自動車で行けるところであれば基本、配達できます。

お弁当のニーズが増えたことで、ECの売上にも大きな影響があったということですね。

川久保様 イベントの数が増えた分、売上は伸びています。とはいえ、ECサイトは2年続けて150%近く成長していますので、コロナ禍であっても順調に成長してきました。

ECの売上が伸びたことで、店舗の売上にはどのような影響がありましたか。

川久保様 店舗もコールセンターも順調に伸びていますので、特に影響は無いと思われます。すみ分けとしては、年配のお客様が電話で、若いお客様がECでという感じです。ECは若いお客様層を開拓しているという点で、店舗やコールセンターの売上にも少なからず寄与していると思います。ECで予約して店舗で受け取る時、飲み物やデザートを一緒に購入されるケースもあるので、むしろプラスに働いているのではないでしょうか。

OMO(Online Merges with Offline)はこれからの重要なキーワードですが、来店時のついで買いによって売上が伸びたという効果は、多くのショップ様でも表れています。

川久保様 現状では相乗効果があるというほどの数字は把握できていませんが、今後は注視していきたいと思います。

株式会社ヒライ 渉外部EC担当の川久保雄一様(写真左)と管理本部システム課の上野大介様(写真右)

ECの売れ筋は元祖ちくわサラダと山ちゃんラーメン

ECサイトのお客様は、どのように集めているのですか。

川久保様 チラシを店舗に置いたり、新聞の折り込みチラシを活用したりしています。チラシにはQRコードも掲載していて、スマホからでも簡単にアクセスできるようになっています。それから、ネットの検索広告なども使っています。あとはメルマガですね。ECを使ったことがあるお客様に向けて新商品などを案内しています。

ECのお客様は8割から9割が熊本と福岡ですが、ある程度認知されたのか、チラシや広告の効果が落ち着いてきました。熊本と福岡、大分、佐賀でヒライを知っている人、かつネットを使う人が上限に達していて、新規ユーザー数は頭打ちになりつつあります。そこで現在はリピート対策に力を入れているところです。

ECサイトでも店舗受け取りや配達が中心となると、売れ筋はやはりお弁当ということになりますか。

川久保様 そうですね。今はお弁当が中心です。ただ、お弁当は店舗でカバーしている範囲になりますので、電話での注文受付と何ら変わりません。やはり、全国で売れる商品をいかに展開するかがECサイトの役割であるべきです。人気商品の元祖ちくわサラダをはじめとして、当社の商品を全国に売ってこそのECサイトです。

全国への展開は、どのような取り組みになりますか。

川久保様 全国向けの商品は5つあるのですが、売れ筋は元祖ちくわサラダと熊本ラーメンの「山ちゃんラーメン」ですね。餃子(極旨黒豚餃子)もありますが、熊本の名物とするほどの知名度がないため、今は、全国からの注文はほとんどありません。

今後は全国を対象としたECサイト向け商品の開発に注力ということになりますね。

川久保様 商品開発は「ヒライグループ」全体としての取り組みになり、会社としてEC向けに特化した商品は、今は開発できていません。そのため、EC向きの商品をECサイトで販売してきましたが、やはり全国に向けて商品を販売するとなると、EC向けの商品が必要だと考えています。目下の悩みは、日々の業務に忙殺され、その時間が取れないことです。

ECサイトの注文はどちらの送り先が多いのですか。

川久保様 東京や大阪が多いです。全国的な感覚で珍しいもの、または熊本に興味がある人がお試し感覚で利用しているという感じです。それから、熊本や福岡にお住まいのお客様が、県外にいる親せきや家族に送るというケースも多いです。やはり地域の味を求めてのことだと思いますので、そこを意識しつつ、元祖ちくわサラダに続く商品の開発に向けて、EC担当部門だからできる取り組みを進めていきたいです。

EC担当が初めてでもmakeshopは使いやすい

ECサイトではmakeshopをご利用いただいています。お使いになってのご感想などをお聞かせいただけますか。

上野様 makeshopに切り替えたのは、3年ほど前になります。以前のシステムは、ECサイトとしては最小限の機能しかなく、クレジットカード決済ができなかったり、基幹システムとの連携ができなかったりと多くの課題がありました。その点、makeshopは基本的な機能がそろっているという印象です。makeshopに移行したことにより、課題だった基幹システムとの連携のほか、工場のシステムともリンクできるようになりました。

川久保様 私はITの経験はあるものの、EC担当は初めてになります。それでも基本的な操作で迷うことなく運用できるため、とても助かっています。

日々の運用において課題がありましたら教えてください。

川久保様 現状では基幹システムと連携できていない部分があって、その確認作業に多くの時間が取られています。例えば、注文時の備考欄に「到着したら電話ください」と書いてあっても、その部分は連携できていません。あとはクレジットカード決済なのに領収書の希望をチェックできてしまうケースがあるなど。そのため、注文内容を確認して連携していく必要があります。繁忙期は注文が殺到するので、1件1件の確認が大変です。受注処理で1日が終わることもあります。

システム改修で対応できる部分はあると思うのですが、イレギュラーな部分もあるので、なかなか決めきれないでいます。ECサイトについてもレイアウトを変えたい部分があるものの、影響範囲が大きいので今の体制ではなかなか難しいと感じています。いつかはやりたいと思っているのですが。

とはいえ、makeshopの使いやすさにはとても満足しています。これは余談ですが、「makeshopから乗り換えませんか」というセールスが結構くるんです。でも、makeshopを使って「こういうことをやっている」と説明すると、「いやぁ、それはうちでは難しいですね、すみません」という反応になりがちです(笑)。意外と複雑なオペレーションですから。

豊富な機能というところはなかなかアピールしにくいだけに、そのような情報をいただくととてもうれしいです。makeshopは日々進化を続けていますので、気が付いたら課題が解消されていることもあると思います。何かございましたら、いつでも気軽にお声がけください。本日はお忙しい中、ありがとうございました。

▽ショップ紹介
お弁当&オードブルをネットで予約/配達OK「おべんとうのヒライ

以上、ヒライ様のインタビューをご紹介しました。

お弁当の販売が好調な一方で、ECサイトとしては全国への販売も強化していくとのこと。定番商品に続く新商品の登場も期待しています。makeshopに対しても、いろいろと宿題をいただきました。今後の取り組みの参考にさせていただきます。

ご覧いただいている皆様も、makeshopやECについて、ご相談や疑問などありましたらお気軽にお問い合わせください!