こんにちは!MakeShopマガジン編集部です。
今回は日本酒を主に取り扱う『未来日本酒店』さんにインタビュー!
ネットショップ担当の明石さんにお話を伺いました。

▼自社倉庫にはたくさんの種類のお酒が

日本酒の知識がない方にも買いやすく

-日本酒をネットで売っていく施策は何をされていますか?
未来日本酒店が、取り扱っているお酒の銘柄がとても多いんです。初めて購入する人だと余計に、何が自分に合うものかってわかりにくいと思います。
そこで始めたのが『テーマで選ぶ』という項目を作って、それに沿った商品をまとめて表示することでお客様が迷わないような工夫をしています。
そうするとお酒に詳しくないお客様でも買いやすいですよね。

▼興味のあるテーマからお酒が選べる

-テーマでお酒を選ぶというのが新しいなと思ったんですが、なぜこういう方向性でやっているのですか?

「テーマで選ぶ」というのは「日本酒のセレクトショップ」である我々の一番の特徴だと思います。
実は現状、日本酒業界での商品販売カテゴリのほとんどが「使用米の精米歩合」(純米大吟醸酒、吟醸酒、純米酒などの分類。スペックとも呼びます)をベースにした分類になっています。しかし、例えば私たちが洋服を選ぶとき、例えば綿80%、カシミヤ35%、絹50%のような原材料のスペックだけで判断するでしょうか。
もちろん原材料も重要な判断材料の一つですが、どのようなデザイナーがどういうコンセプトでその洋服を作っているか、実際にその洋服の形はどのようなものか、ということが原材料のスペックと同等以上に判断材料としてわかりやすく、また重要視されるのではないでしょうか。

ファッションの世界では、BEAMSやユナイテッドアローズのように、バイヤーが独自のコンセプトで選んだ“セレクトショップ”という概念がありますよね。
セレクトショップではバイヤーのセンスに則った、コンセプチュアルながらもツボを抑えた商品が並び、新進気鋭なブランドを取り入れながら、日々新しいファッションカルチャーを創り出していきます。
そして、消費者はセレクトショップが提案する世界観の中で、自分のセンスにあった商品を選ぶことが出来ます。

このようなファッションでは当たり前の要素を取り入れ、原材料のスペックだけではなく“テーマ”や“コンセプト”で直感的に日本酒を選んでもらいたい!それが私たちの想いです。

-この季節に合わせたテーマも素敵ですね。

お花見シーズン用に企画しました。

-『SIX STAR MAGAZINE』をマメに書かれていますが、これの目的は?

ネットショップ上で、購入するまでのフローでお客様に提案できる場所ってないですよね。
なので、うちが扱うお酒に合うレシピをフードコーディネーターの方に考えてもらって記事にしています。
お酒を購入してもらって終わりではなく、その先のお酒と食を合わせて楽しんでもらうことで『体験』を付加価値としてお客様に発信していこう狙いで行っています。

-フードコーディネーターの方に考えてもらうというところまでやっているのは驚きました!
なぜ、お酒を販売することになったのですか?

社長の地元が石川県の能登半島で、地方でしかできない産業を支援できるような事業をしたいという考えがあったそうです。
地方で事業が大きくなったら、結局東京に本社を移す企業も多いですよね。
でもそれって『地方でしかできない産業』ではなくて。

そういった意味で、日本酒は地元の米、水を使うので『地元でしかできない産業』だということに気づいてビジネス的におもしろいんじゃないかと考えて始めたのがきっかけです。

もひとつはハイグレードの日本酒の市場は右肩上がりで盛り上がっていたので目をつけたというかんじです。

-ベンチャー的な考えで始められたのですね。
もともとお酒の卸をしてて、ネットショップを始めたのかと思っていたので驚きました。
人気の商品についておしえてください。

こちらの【STYLE】というお酒です。

-これって日本酒なんですか?

そうです。ボトルのデザインがとてもおしゃれですよね。
提携している酒造さんと当社が共同開発をした商品なのです。
当社が、瓶・ラベルのデザインなどの企画、お客様が求めているお酒をプロデュース、
そして酒造さんには、そのお酒を本気で作っていただいて作られた商品ですね。

そういった私達と酒造さんのスタイルを全力に出して作ったので名前を『STYLE』と名付けました。

-素敵ですね!この商品に込められた熱意が伝わってきました。
このデザインなら今まで日本酒に馴染みがなかった方も取り入れやすいかもしれませんね。

酒造さんとの関係値づくりを大切に

-『SIX STAR MAGAZINE』で酒造さんのインタビューを掲載されていますが、実際に現地に行っているのですか?

行っています。

▼取材時に撮影された酒造さんの写真

-酒造さんって地方にあるイメージなんですが、実際に出向いてるのはすごいですね・・・!

やはり酒造さんは、プライドを持ってお仕事をされている方が多いんです。なのでこちらから関係値を作ると行った意味でも出向いています。

ネットショップのデザイン的にも、私達の価値観は今までの日本酒業界には無くて、なかなか理解されにくとこともあるのでこういった取り組みを通じて長いお付き合いをできるように努力をしています。

-どういったところに抵抗があるのでしょうか?

酒蔵さんもすでに販路を持っている中で、うちで取り扱うことによって、今までの酒蔵においているものとイメージがかわってしまうのではないかという抵抗があるようです。

-それはそうかも知れませんね。ネットショップのお客様はどういう経路で来られるんですか?

よくリアルのイベントやポップアップショップを行っているので、
そこで告知したり、QRコードを記載してショップカードをお渡ししています。

最近では『SAKE STAR FES』を秋葉原で開催しました。お花見シーズンなので、桜とお酒を楽しめるような場の提供ができ、お客様にも好評をいただいたイベントでした!

-リアルとの融合、良いですね。その他には?

一番多いのは『&SAKE』からですね。

▼自社開発のキュレーションアプリ『&SAKE』

自社でアプリを制作、そこからネットショップとのシナジーを

-アプリからの集客って面白いですね。
どういった使い方を?

キュレーションメディアとしてアプリを見てもらうというのが基本的なところなのですが、アプリ内に【買う】というコンテンツもあって。

▼アプリ内からネットショップへの導線を

そこで商品の記事を作成して見てもらって【BUY】ボタンで購入が完了します。
商品のストーリーを知っていただき欲しいと思ったらアプリ内で購入できる。アプリ内で完結できるのが特徴ですね。

-これ、いいですね。ネットショップ担当者でアプリはあまりやっている人いないので。今後力をいれたいことは?
『&SAKE』のWEB版の準備ができているので、ここをPRに活用していきたいですね!
やはり、アプリはダウンロードしてもらうハードルが高いのでWEB版をネットショップとリンクさせて、そこからのコンバージョンにも期待したいですね!

編集部あとがき
自社開発でキュレーションアプリを作り、自社内でアプリとネットショップのシナジーを生んでいるのですね。
長い歴史のある日本酒業界に新たな切り口で挑戦していく、未来日本酒店さんのこれからが楽しみです!

\今回インタビューしたショップ/

■未来日本酒店

http://6star.jp/

MakeShop歴:2013年~