\ ショップオーナー様SPECIALインタビュー第9弾 /

みなさま、こんにちは。GMOメイクショップの三浦です。
今日のインタビューは、会話のキッカケになる面白いネクタイを作り続け、多くのファンを魅了するコミュニケーションネクタイ様です。
ネットショップが今ほどメジャーでない2009年からMakeShopをご利用いただいております。
先見の明で新たなビジネスチャンスをつかんだ服部社長と藤原店長からお話を伺いました。ぜひご覧ください。

-ブログを拝見させていただきました。藤原様はネクタイデザイナーをされてますよね。1年間に1,000種類のデザインを出しているそうですが、毎月の企画はどのように考えられていますか?

(藤原店長)私一人で運営していた時は制作、企画、発送もやっていましたので、デザインに時間を割けませんでした。
2年前に後輩が一人入ったことで、「今年は1,000本デザインをする!」と目標を立てて販売量の波を見ながら割り振りました。
-1年で一番販売量が増える時期はいつくらいですか?

(藤原店長)9月の頭から10月末までがハロウイン、終わるとすぐにクリスマスが始まります。クリスマスが一番多いですね。

-クリスマスのイルミネーション柄がとてもかわいいですね。
(藤原店長)ありがとうございます。買われる方は男性も女性もいらっしゃいます。
女性の場合はプレゼントやおもしろギフトとして買われますね。女性がつける場合もあります。今、私がちょうどつけているようなオリジナルのネクタイも作れますよ。当社のロゴをあしらったものです。
-ここで印刷されているのですか?

(服部社長)ええ、この部屋とは別に工房があります。
オリジナルデザインも作れるんですね。
(藤原店長)自分用には顔写真をいれたりする方もいます(笑)
バイクに乗る人は愛用バイクの写真、またペットを飼っている人は愛犬の写真を使ったり、とバリエーションは自由自在です。

-ベストドレッサー賞やベストファーザー賞の副賞にネクタイを提供されていますよね?

(藤原店長)MFU(メンズファッション協会)に1年前加入しまして、そのきっかけで協会が主催しているイベントに提供するようになりました。

-片岡愛之助さんのネクタイがユニークですね(笑)

(藤原店長)受賞者が6名いらっしゃるのですが、その人にあったインパクトのあるデザインをデザイナー2人で考えました。気に入って頂ければ個人のブログに紹介して頂いています。

「ネクタイデザイナーAIのブログ」~片岡愛之助さんさんのためにデザインしたネクタイ~
 http://ameblo.jp/necktie-designer/entry-11959431481.ht


-お客様の年齢層は?

(藤原店長)年齢層は幅広くて、20代~50代前半ぐらいですかね。
普通のネクタイではなくて、「話題を提供したい人」が買われます。例えば、ご商売をされている方がご自身のブログへの集客のために週替わりで変わったネクタイを載せています。今が梅雨の時期なら”あじさい””雨”の柄を身につけたり。そういった方もいますね。

-今まで当たったデザインはありますか?

(藤原店長)結婚式のお祝いに使う御祝儀袋です(笑)
そ のまま結婚式や二次会に出席されます。結婚式用に仲間内でまとめ買いされる方もいらっしゃいます。会社では年間を通してイベントが多く、会社設立のお祝 い、創立記念やパーティーなどで利用される方もいます。社長がシャレの効いたネクタイをイベントにしていくと評判いいですよ。

-「それ面白いね」って会話のきっかけになりますよね。

(服部社長)広告代理店経由で、あるディズニー映画の試写会用にも作ったことがあります。みんな、人が話題になるようなものを探しているんですよ。
日本人はコスチュームのように突拍子のない世界にどーんと突入することに抵抗がありますが、ネクタイぐらいいいか、と思える。女性ならネイル、スポーツならサッカーの時にホンの少し顔にペイントするような感覚です。
その程度のギミックならひっかかりになって、会話のきっかけになってくれればいいなと思いました。

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-服部社長はなぜこのようなユニークなネクタイを売ろうと思ったんですか。

(服 部社長)10数年前、私はおもちゃ会社に勤めていました。今ほどアニメキャラの世界的人気がなかった頃です。ちょうどアメリカから日本へエイリアン、スパ イダーマン、スターウォーズなど映画に登場するキャラクターのいわゆるフィギアを扱う市場が入ってきたころです。上陸したときは日本のおもちゃ業界が戦々 恐々としていました。

おもちゃ会社のサラリーマンをやっていた時は、そういう突拍子のない企画やマーケティングをやろうとするとだいたい会社に拒絶されます。若さゆえの反骨心もあり、自分で会社をやりたいと思って辞めました。

ある時、ニューヨークで行われた世界のおもちゃショーで、日本にない文化に触れ、衝撃を受けました。「ハロウイン?!なんだこれ!!」と。

「面白い服を着てこんなに金をかける奴がいるのか?!」と非常にショックを受けました。アメリカのカルチャーを見て「これは絶対日本に輸入できる!」と確信したのです。
そこで誰も競争相手がいなかった時に、アメリカ最大のコスチューム会社に交渉したんですよ。アクションフィギア、コスチュームをやりたいと交渉した。
交渉を始めたら在庫2億円分買えって言われましてね。在庫を置くにも体育館みたいな場所がいるから無理だと思いました。でも絶対にハロウイン文化が来る確信はありました。

それから時がだあっと過ぎて、アメリカでオリジナルネクタイのビジネスをしている人と知り合いました。そこでネクタイへの印刷技術があると知ったんです。

当社は昔からアパレル業を営んでいました。当時、アメリカは価格の安い中国製品のニーズがあっても中国とは共産圏と民主主義で自由に貿易できない時代でした。
そこで、当社がオリジナルネクタイに印刷できる白いネクタイが作れることをアピールし、中国から婚礼用のネクタイを輸入して日本経由でアメリカに輸出しました。アメリカの会社には2万本、3万本も買っていただいたんです。

「えーそんなに買うの?すごいな。そんなに売れるの?」
ってまた衝撃を受けました。
アメリカの会社は「売れるんだよ」と(笑)
パーティーというのがアメリカの文化に深く関わっていて、ネクタイで仮装するのもアリなんだ、と気づきました。ソーシャルメディアとかオフ会とかそういうのもない時代です。

デザイナーの藤原と二人でアメリカへ行き、ネクタイビジネスをしている人に「日本でこのビジネスをやっていいか」と聞いたら「勝手にやるならやりなさい」って(笑)
じゃあやろうかな、って言って始めました。10数年前のことです。

_DSC0042_R事務所に置かれたネクタイの印刷機

-なぜMakeShopでネットショップを始めたのですか?

(服部社長)MakeShopを使い始めた2009年当時、機能的やスペック面で満足できるショッピングカートがMakeShopしかありませんでした。
最初は30アイテムまで登録無料だったと思います。当時、最大500アイテムまででしたよね。

- 数年前に5万商品以上まで登録できるようになりました。売上は商品数と比例する、という相関関係が証明されています。楽天さんやアマゾンさんなどで数千種類の商品を扱うショップ様が次々と本店サイトを出店するようになりましたから。その影響もありますね。

(服部社長)なるほど。実際、我々が今やっていることはアマゾンのロングテールマーケティング※に近いと思います。
みんながありえないと思っているもの(=おもしろネクタイ)が本当にある。こんなくだらないことをやっている人が本当にいるんです(笑)
人々の中では、特定の商品や具体的なサービスにたどり着く前に、“これが流行している”“こんなものがあったらいいな”と潜在的にインプットされている情報がある。
例えば、あるものを指して”これ日本的だよね~”と、なんとなくイメージだけで文化の話をするときがあります。
“パーティー文化的な”“アメリカ的な”“ネット的な”“何か面白いもの”。「そんなのあってもいいよね」と人々の頭の中にある概念を我々は、”ネクタイ”として実現しています。

※ロングテールマーケティング
ロングテールとは、AmazonやiTunesのようなインターネットを活用した販売において、アイテムを低コストで取り扱うことで、多品種少量販売で利益を上げられるという理論。
パレートの法則によると、売上の8割は全顧客・全商品銘柄の内の優良な上位2割が生み出していると考えられ、ロングテール部分の商品や顧客は切り捨てられてきました。しかしロングテールでは、残りの8割の商品や顧客に着目しています。

-ロングテールの話が出ました。SEOに関してはどのようにキーワードを見つけるべきでしょうか?

(服部社長)成功したいネットショップはSEOに関しても、人々の中にある潜在的なニーズはなにか、そのキーワードの語源はなにか、どうしたらその商品にたどり着くか、順序だてて勉強していかないといけないと思います。
例えばグーグルの検索も語源をたどって単語を抽出する方法、情報を求めてくる人は必ずここに来るだろうというロジックを見出す必要があります。
今の人々は活字離れを起こしていますから、新聞の一面に誰もがあっと驚く共通の話題を飾っても新聞を読んでいない人はわからないですよね。雑誌を目にしない人は、雑誌の影響でそのサイトに訪問者が増えても、なぜそのサイトに来ているかわかっていない。
その単語に辿りつく、積み上げた方法論、それをさがすためにindexがあって…という。順序だてた言語体系を勉強していないと難しいと思います。

(後半に続く)