こんにちは。MakeShopマガジン編集部です。

今回は、実店舗とECサイトを連携する「オムニチャネル」を導入した
メガネ・コンタクトレンズなどを販売するアイジャパン㈱さんにインタビューをしてきました!

立ち上げの頃は人員も少ないところから始まることが多いECサイト。法人の場合、ネットショップを独立した部署が運営せず、いろんな部署の人間が横断して、かつ兼務しながらショップ運営していることは多々見られますが、アイメガネさんも同様に社内にEC専門の部署は無く、それぞれの部署が連携して運営しているとのこと。
メガネ・コンタクトという異なる商材でECをどういう風に活用しているのかを伺いました。

ECサイトはどういう目的で作られたのですか?

アイメガネのECサイトでは、WEB上で商品(フレーム・サングラス)の確認やレンズを組み合わせた価格のシミュレーションができ、選んだ商品をお近くの店舗に取り寄せ、試着予約を受け賜ることができます。
WEB上で気になる商品を見つけたら、フレーム・レンズを選ぶとその場でお見積が可能です。そして「ご試着予約BOX」に入れていただき、そのままWEB上で来店したいお店や来店日などを決め、試着予約へと進んでいただきます。
オンラインからオフラインへとお客様を誘導する、いわゆるオムニチャネル※1の仕組みは、関東から東海にかけて50以上ある店舗への来店を促すために作りました。
(※1)オムニチャネルの機能は、MakeShopのカスタムプラン「カスタムMakeShop for クラウド」で構築されています。

元々、アイメガネECサイトを立ち上げる前から、「レンズコンシェル」というコンタクトレンズ専門のECサイトを運営しており、そこそこの売上が上がっているのですが、
アイメガネECサイトは、ネットショップで注文を受け付けず、完全に店舗送客のためと割り切った「オムニチャネルサイト」として作りました。

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【無料ご試着】の流れ

アイメガネはネット上で「売らない」サイトなのですね!
ECサイトを作るうえで大変だったことは何ですか?

眼鏡業界はかなり保守的なので、
まず取引先のメーカーにお話をして理解してもらった上でWEBの話をすすめるところから始まりました。

取引先の説得が必要なんですか!?

そうですね。眼鏡の場合メーカーさんから「商品をWEBやチラシに掲載しないでくれ。」と言われる場合があります。
なぜかと言うと、眼鏡の小売店ってブランドを無視したような過激な割引表示をしたりする店舗が多いので、イメージが悪いのですよ。
そのため、メーカーの中にはブランドを守るために、広告やWEBで商品を掲載することに躊躇する取引先が多いのです。

私たちとしても取引先と協力して商品を売っていきたいので、まずはそこからお話していきました。

WEBに活路を見出そうとした背景を教えてください。

お客様にどうしたら商品の良さが伝わるか、
どうすればお店に足を運んでもらえるのか・・・
そこを考えたときに、やはり販促やPRをしていかないといけないと感じたからです。

当然、チラシやDMは以前からやっていますが、
少しずつ時代ともにやり方をかえていかなければならないと思いました。
メガネ業界全体の傾向として、WEBに限った話ではなく、販促やPRが得意でない会社が多いのです。

WEBは御社の顧客層とマッチしているのでしょうか?

あっていると思います。
最近では50代、60代の世代も、チラシやDMだけではなく
自分からWEBに情報をとりにいく時代だと思いWEBに注力していく方針になりました。

もっとお客様のお役にたてることがないかなあと考えたときに、
価格をわかりやすくしたり、選べる商品を豊富にしたり、事前に気に入った商品を選択できたり、質感や色合いを確認してからお買い物ができたり、お客様がWEB上でも仮試着できてイメージがつかめるととても良いな、という構想が浮かんできました。

いきなりお店に行くのはハードル高いと感じる方も多いですしね。

はい。行ったら買わなきゃだめかな・・みたいに感じる方も多いです。

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様々な業界で商品の低価格化が進んでいる昨今、メガネ業界も同じような状況でしょうか?

10年ほど前からそういった傾向があります。
弊社の顧客層はシニア層が多いのもあって、良い商品は多少お値段が張っても購入する世代に支持されています。

そこから下の世代は
安い商品に惹かれるし、そんなに違いが無いという認識で
低価格ショップに流れていってしまっているのが現状ですね・・・

低価格ショップは、さらに、価格だけではなくイメージ戦略も上手なんですよ。
20代30代の弊社が比較的弱い層をガッチリ掴んでいますね。

なので、価格だけで真っ向勝負するつもりは無いのです。
私たちは40代~をメインターゲットにしていくつもりです。
中高年世代も今ではネットで情報収集してから購入をするので、
事前にネットで商品の価格がわかったり、試着予約をWEBでできたり、
ビフォアサービスとして、WEBを使っていこうというのが弊社の方針としてあります。

ECに注力していこう、となったときに、
会社の中で反対意見などはありませんでしたか?

ありましたね。
どうせうちの顧客層はWEBを見ないから意味無いよというような意見も。
特に、50代・60代の社員からはそういう声はいまだにありますね。
さらに、売り場では、ネットが得意でないご年配のお客様に日々対応しているので
うちの売り方にあっているのか?といった声もありました。

そこをおしきったのは誰なのですか?

それは社長ですね。
もう、やるんだ!と。

このままの売り方やサービスの継続は、急激に売上を下げることはないかも知れないけど、眼鏡ユーザーの不満や世間の速い動きに応えられない。
業績を向上させるためには、
新しいことをして、既存のお得意様はもちろん、以前の顧客層もとりかえしていかないといけないよ、と。
私達としても、その方向性に間違いは無いと思っています。

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オムニチャネルを進めるにあたって、超えなければ行けないハードルって
本社と店舗の連携だったりしますよね。

ECで売らずに店舗に誘導すると決まるまでどういったいきさつがありましたか?

実は、最初はECサイトで売ろうと思っていました。
売上を今年上げていきたいのであれば、ECサイトで売った方が早いとは思ったのですが、
お客様から見れば、
ネット上に似たようなメガネのサイトが1店舗できたというだけで終わってしまうなと思いました。
それでは当社の「価値」は埋もれてしまう。
私たちがお客様に提供したい「価値」は、お客様に本当に良いものを説明して、理解していただき、お客様に合うものを買っていただくことです。
その価値を提供するためには、セルフではなく店舗でプロの販売スタッフが説明・応対したほうが良いと思いました。
メガネは「半商半医(はんしょうはんい)」なので、
アイメガネで買ってよかったと
豊かさを感じてもらえればと思っております。

半商半医とは?

「半分が商売、半分は医学的側面」があるということです。
ファッションアイテムとしての商売の側面と、見えにくかったものを見やすいようにするという視力矯正としての医学的側面もありますからね。
メガネというものは、度数を合わせればいいという単純なものではありません。

そういったこともあって、メガネは、ネット上だけでお買い物が完結するのには
適した商材ではないという思いがあって、プロが店舗で販売しなければならないと考えるようになったのです。
また、その思いは他社との差別化になるかな、と考えています。

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カスタムMakeShop for クラウドを選んだ決め手は何でしたか?

最初はパッケージにするかASPにするか悩んでいました。
ASPにした最大の要因は、やはりコストを抑えられるという点でしたね。
相見積もりを取ったのですが、パッケージ会社さんが提示した半分以下の料金が書かれていて、ビックリしました笑
料金以外で魅力的だったのは、ASPなのにカスタマイズができ、さらにAPIを使って様々な外部システムと連携させることができた点です。
実は当社の要件のひとつとして、古くから使っている基幹システムとECサイトを繋げたいという要望がありました。
他社さんの提案では、ECと繋げるに当たっても、基幹システムの改修も含まれていたりして、費用が膨らんでいましたし、改修はリスクだとも思っていました。
MakeShopさんの提案では既存の基幹システムをいじることなく、APIで繋げるだけで実装できるご提案だったので、リスクも価格も抑えられたのだと思います。

便利だと思う機能は何ですか?

先日、MakeShopのセミナーに行って「Paidy」の話を聞き、これは便利だと思いコンタクトサイトで導入することにしました。
初期投資も少なく、決済手数料もクレジットカードと同じくらいだし、なによりスマホに強いというのが魅力的でした。

ブログで話題になった猫について教えてください。

約1ヶ月ほど前に、弊社の前を通っている国道17号線で、
猫が車にひかれて、動けない状態になっているところを助けようとした警察官が飲酒運転の車にひかれてしまうというニュースがありました。

それから少しして、弊社の敷地内にそれらしき猫が現れ動けなくなりました。
餌も食べないし、元気がないのを心配した社員が、社長に相談の上、病院に連れて行ったところ、その猫は複雑骨折をしていました。

そのことから、埼玉新聞に問い合わせたところ、どうやらその事故にあった猫だったようで、
そこから取材されて話題になりました。

■埼玉新聞の記事
事故の時のネコかも…さいたまの会社で保護、社長秘書に 強運に期待

今は会社で社員が土日も交代で面倒を見て、新しい飼い主を探しているところです。

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すっかり社長秘書の貫禄のある「あいちゃん」

猫をきっかけに、コミュニケーション生まれそうですし
社内の雰囲気もかわりそうですね。

最後に、今後のビジョンを教えてください。

ECなので店舗に来ないような層にサイトを見ていただくことができます。
そういったお客様がWEBをきっかけに、アイメガネを知っていただき、実際に店舗に足を運んでくれるというビジネスモデルが定着してくれると嬉しいです。

 

「あえて売らないECサイト」って聞いたときはとても驚きましたが、そこには日々お客様と接しているスタッフの熱い思いがあったのですね・・・!
これからも幸運のネコ社長秘書とともに「オムニチャネル」を定着させていってほしいです!

アイジャパンさん、ありがとうございました。